クラウドワークスで「ライティング案件が減った」と感じているワーカーは多いだろう。実際、低単価のSEOライティングや簡易データ入力はAIに置き換わりつつある。一方で、生成AI関連の契約案件数は2023年11月時点で前年同月比8.4倍に急増し、2024年6月には累計40,000件を突破した(クラウドワークス公式プレスリリース)。

しかも、AI関連案件の単価は非AI案件と比べて約1.8倍高い。つまり「AIに仕事を奪われる」のではなく、「AIの周辺業務で稼ぐ」時代に切り替わっている。

筆者はクラウドソーシング歴8年で、月収0円から最高72万円まで経験してきた。ライティング駆け出しの頃、文字単価0.3円で受けて月8,000円という地獄を味わったこともある。だからこそ、案件の流れが変わる今のタイミングで動くことの重要性は身をもって分かる。

この記事では、プログラミング不要で未経験から受注できるAI案件5タイプと、実際の探し方・提案テンプレートまでを解説する。

クラウドワークスのAI案件が8.4倍に急増した背景

クラウドワークスが2023年12月に発表したデータによると、2022年12月〜2023年11月の1年間で生成AI関連の契約案件数は合計5,832件に達した(PR TIMES)。2023年11月単月で見ると、前年同月比8.4倍という急激な伸びだ。

さらに2024年6月時点でAI活用の仕事は累計40,000件を突破し、クラウドワークスは「AI活用に関する基本方針」を策定するに至っている。2026年現在、この流れはさらに加速中だ。

職種別に見ると、AI案件の単価はITエンジニアで非AI案件の3.5倍、非IT技術者で6.8倍、ビジネス職種で3.3倍と、いずれも大幅に上回る。注目すべきは「非IT技術者」の伸びが最も大きい点だ。プログラミングができなくても、AI周辺のタスクには大きな需要がある。

一方、従来型のSEOライティングや簡易データ入力の案件は減少傾向にある。クラウドワークスの2026年9月期第1四半期決算では営業利益が前年同期比84.4%減少し、同社は「AIによるワーカー需要の変化」を要因として挙げた(coki)。つまり、単純作業は減り、AI関連の付加価値業務が増えるという構造転換が起きている。

非エンジニアでも受注できるAI案件タスク5選

ここからは、プログラミング不要で未経験からでも始められるAI関連タスクを5つ紹介する。いずれもクラウドワークス上で実際に募集されているカテゴリだ。

1. AIライティングのファクトチェック・校正

ChatGPTやClaudeで生成された記事の事実確認・誤字脱字チェック・文体統一を行う仕事だ。「ChatGPTで構成と執筆をやるから、ファクトチェックと修正だけお願いしたい」という案件が増えている。

単価目安: 1記事1,500〜5,000円(2,000〜4,000文字)

求められるスキル: 正確な日本語力、情報の真偽を調べるリサーチ力。ライティング経験があると優位。

2. プロンプト作成・設計

「特定のテイストの文章を生成するChatGPTプロンプトを作ってほしい」「画像生成AIで狙い通りの画像を出す指示文を考案してほしい」という依頼だ。高度なプログラミング知識は不要で、日本語の表現力や発想力が武器になる。

単価目安: 1件3,000〜15,000円

求められるスキル: ChatGPTやMidjourney等の基本操作、論理的な文章構成力。

3. データラベリング(アノテーション)

AIの機械学習に必要な教師データを作る作業だ。画像にタグを付けたり、テキストの感情を分類したり、音声データを書き起こしたりする。クラウドワークスの調査でも、ビジネス事務カテゴリにおけるアノテーション作業の伸びが著しいと報告されている。

単価目安: 時給換算1,000〜2,000円(タスク形式で1件10〜50円×大量件数)

求められるスキル: 正確さと根気。マニュアルに沿って作業できれば未経験でも可能。

4. AI生成画像の品質チェック・レタッチ指示

MidjourneyやDALL-Eで生成された画像の品質確認、不自然な部分の指摘、修正指示書の作成を行う。EC商品画像やSNS投稿用素材の需要が特に多い。

単価目安: 1件500〜3,000円(チェック枚数による)

求められるスキル: デザインの基礎知識(構図・配色の違和感に気づける程度)、指示を言語化する力。

5. AIチャットボットのテスト・シナリオ作成

企業が導入するAIチャットボットに対して、想定される質問パターンを洗い出し、回答の正確性をテストする業務だ。ユーザー視点で「こう聞いたらどう返るか」を検証するため、技術よりも想像力が重要になる。

単価目安: 1案件5,000〜25,000円

求められるスキル: ユーザー目線で質問パターンを考える力、テスト結果を整理して報告する力。

AI案件の探し方と検索キーワード

クラウドワークスでAI案件を効率よく見つけるには、検索キーワードの工夫が重要だ。以下の手順で探してみよう。

ステップ1: カテゴリから絞り込む

AI・チャットボット開発カテゴリAI(人工知能)・機械学習カテゴリをブックマークしておくと、新着案件を定期的にチェックできる。

ステップ2: キーワード検索を併用する

カテゴリだけでは拾いきれない案件も多い。以下のキーワードで横断検索するのがおすすめだ。

  • 「ChatGPT」「GPT」 — プロンプト作成、記事校正、要約案件がヒットしやすい
  • 「AI 校正」「AI リライト」 — ファクトチェック系の案件
  • 「アノテーション」「ラベリング」「教師データ」 — データラベリング案件
  • 「プロンプト」 — プロンプト設計・テンプレート作成案件
  • 「AI チャットボット テスト」 — テスト・シナリオ案件
  • 「画像生成」「Midjourney」「DALL-E」 — 画像関連のAI案件

ステップ3: スキル検索を活用する

クラウドワークスのAIライティングスキルAIスキルのページからも案件を探せる。スキルタグで絞ると、自分のレベルに合った案件が見つかりやすい。

受注率を上げる提案テンプレート

AI案件は応募者がまだ少ない分、提案文の質で差がつきやすい。筆者の経験上、以下の3要素を盛り込むと受注率が格段に上がる。

提案文に入れるべき3要素

  1. AI経験の具体的なアピール — 「ChatGPTを日常的に使っており、プロンプト設計で○○を作成した経験があります」など、短くても具体的に書く
  2. サンプル提出の提案 — 「テスト的に1件無料で納品しますので、品質をご確認ください」と書くと、発注者の不安を下げられる
  3. 対応速度の明示 — 「平日は○時間/日確保可能、納期は○日以内で対応できます」と具体的な稼働時間を示す

提案テンプレート例

以下はAIファクトチェック案件向けの提案テンプレートだ。案件内容に合わせてカスタマイズしてほしい。

——

はじめまして。Webライター歴○年の○○と申します。

普段からChatGPT/Claudeを業務で使用しており、AI生成文のファクトチェック・リライトを得意としています。

【対応可能な作業】

  • AI生成文の事実確認(一次情報・公式ソースとの照合)
  • 文体統一・誤字脱字の修正
  • SEOを意識した見出し・構成の調整

【稼働】平日○時間/日、土日○時間/日 納期:ご依頼から○営業日以内

ご希望でしたら、テスト的に1記事を無料で納品いたします。品質をご確認いただいたうえで継続をご判断ください。

——

ポイントは「AI関連の実務経験」を具体的に示すこと。まだ実績がない場合は、自分でChatGPTを使って記事を作り、それを自分で校正した成果物をポートフォリオとして添付するとよい。

初心者がAI案件で月3万円を目指すロードマップ

最後に、未経験からAI案件で月3万円(税引前)を目指す現実的なステップを整理する。

月1〜2(準備期間)

  • ChatGPTまたはClaudeの無料プランで基本操作を習得する
  • クラウドワークス アカデミーの生成AI講座で基礎を固める(無料〜低額の講座あり)
  • タスク形式のデータラベリング案件で実績を3〜5件積む(報酬は少額だが評価がつく)

月3〜4(受注拡大期)

  • ファクトチェック・AI校正案件にプロジェクト形式で応募する
  • 提案テンプレートを使い、週2〜3件に応募して受注率を検証する
  • 目標: 月5件×3,000円 = 15,000円

月5〜6(単価アップ期)

  • 継続案件を獲得し、安定した発注元を2〜3社確保する
  • プロンプト設計やチャットボットテストなど、より高単価な案件にシフトする
  • 目標: 月3〜5件×6,000〜10,000円 = 30,000円以上

個人差はあるが、筆者の周囲では半年で月3万円ラインに乗せたワーカーが複数いる。ポイントは最初の1〜2ヶ月で「AI案件の実績」を作ることだ。実績ゼロでプロジェクト案件に応募しても通りにくいため、まずはタスク形式で評価を貯めよう。

FAQ

プログラミングができなくてもAI案件は受注できますか?

できます。データラベリング、AI校正、プロンプト作成などはプログラミング不要です。クラウドワークスの調査でも非IT技術者のAI案件単価が6.8倍と最も伸びており、非エンジニアの需要が高いことが分かります。

AI案件の単価はライティング案件と比べてどのくらい違いますか?

クラウドワークスの公式データでは、AI関連案件の単価は非AI案件の約1.8倍です。ファクトチェック案件で1記事1,500〜5,000円、プロンプト設計で1件3,000〜15,000円が相場になっています(2026年6月時点)。

ChatGPTとClaudeのどちらを覚えるべきですか?

案件数で言えばChatGPT関連が多いため、まずはChatGPTの操作に慣れるのがおすすめです。ただし両方使えると対応できる案件の幅が広がります。いずれも無料プランで基本操作を学べます。

AI案件に応募する際、ポートフォリオは必要ですか?

プロジェクト形式の案件では提案文にサンプルを添付すると受注率が上がります。まだ実績がなければ、自分でChatGPTに記事を書かせ、それを校正した「ビフォーアフター」をサンプルとして用意するのが効果的です。

確定申告は必要ですか?

副業の場合、年間の所得(収入−経費)が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別途必要なので注意してください。詳しくは国税庁のページを参照しましょう。

参考文献