2026年7月使用分から、電気・ガス料金の補助金(「電気・ガス価格激変緩和対策事業」)が再開される。2024年末にいったん終了していた制度が、物価高の長期化を受けて夏の3ヶ月限定で復活した形だ。

結論から言うと、申請は不要で電気・ガスの検針票に自動で値引きが反映される。3人世帯なら電気・ガス合わせて3ヶ月で約5,000〜6,000円の負担軽減になる計算だ。

うちも三児の母で夏場のエアコン代は毎年頭が痛い。去年の夏は補助なしで電気代が月2万円を超えた月もあった。今回の再開でどのくらい浮くのか、世帯人数別に実数字で試算してみた。

2026年7〜9月の電気・ガス補助金の値引き単価

2026年6月時点で政府が公表している値引き単価は以下のとおりだ。

対象7月使用分8月使用分9月使用分
電気(低圧・家庭向け)4.5円/kWh4.5円/kWh3.5円/kWh
電気(高圧・企業向け)2.2円/kWh2.2円/kWh1.7円/kWh
都市ガス17.5円/㎥17.5円/㎥15.0円/㎥

7〜8月はエアコン使用量が増える時期のため、値引き単価が高めに設定されている。9月は単価がやや下がるが、それでも1kWhあたり3.5円の補助が入る。

この単価は、2023〜2024年に実施された前回の補助金(電気7.0円/kWh → 3.5円/kWh)と比べると縮小されている。ただし、前回は段階的に縮小して終了した経緯があり、今回は夏の3ヶ月に集中して一定額を補助する設計になっている(電気・ガス価格激変緩和対策事業 公式サイト)。

世帯人数別の3ヶ月間の軽減額を試算

総務省「家計調査」の平均使用量をもとに、世帯人数別の軽減額を試算した。ガスは都市ガス世帯の場合で計算している。

前提条件

  • 電気の平均使用量: 1人世帯 約220kWh/月、2人世帯 約340kWh/月、3人世帯 約400kWh/月、4人以上世帯 約450kWh/月(夏季は冷房でやや増加)
  • 都市ガスの平均使用量: 約25〜30㎥/月(夏季は給湯需要が減り少なめ)
  • 値引き単価: 上記の月別単価を適用
世帯人数電気の軽減額(3ヶ月計)都市ガスの軽減額(3ヶ月計)合計
1人世帯約2,750円約1,250円約4,000円
2人世帯約4,250円約1,375円約5,600円
3人世帯約5,000円約1,500円約6,500円
4人以上世帯約5,625円約1,500円約7,100円

たとえば3人世帯の電気の計算は、(400kWh × 4.5円 × 2ヶ月) + (400kWh × 3.5円 × 1ヶ月) = 3,600 + 1,400 = 5,000円となる。

あくまで平均値での試算なので、オール電化住宅や在宅勤務で日中もエアコンを使う世帯はもっと恩恵が大きくなる。逆にガスをほとんど使わない世帯はガス側の軽減額は小さい。

申請不要・自動適用の仕組み

この補助金は、消費者が個別に申請する必要はない。電力会社・ガス会社が国から補助金を受け取り、その分を検針票や請求書の値引きとして自動的に反映する仕組みだ。

具体的には、7月使用分(多くの場合8月請求)の検針票から「燃料費調整額」や「政府補助金」の欄に値引き額が表示される。明細に「電気・ガス価格激変緩和対策事業に基づく値引き」などと記載されるので確認してみてほしい。

つまり、対象の電力会社・ガス会社と契約していれば、何もしなくても自動的に値引きされる。大手電力10社・大手都市ガス4社はもちろん、新電力や新ガス会社も大半が対象に含まれる(事業者ごとに国への申請が必要で、一部未申請の事業者は対象外となる場合がある)。

LPガス(プロパンガス)世帯は要注意

都市ガスの補助金は上記のとおり自動適用されるが、LPガス(プロパンガス)世帯は仕組みが異なる

LPガスは事業者数が非常に多く(全国約1万7,000社)、都市ガスのような一律の値引きスキームが適用しにくい。そのため、LPガスへの支援は各自治体が独自に補助金を交付する形が中心となっている。

自治体によって対応が分かれるため、以下のポイントを確認しておきたい。

  • お住まいの自治体のホームページで「LPガス 補助金」「プロパンガス 支援」などで検索する
  • 自治体の生活支援課・エネルギー政策課などの窓口に問い合わせる
  • LPガス販売店に「自治体の補助金に対応しているか」を直接聞く

前回(2023〜2024年)の補助金でも、都市ガスは自動値引きだったがLPガスは自治体経由の給付金だった地域が多い。今回も同様の運用が見込まれるので、LPガス世帯の方は早めに情報を集めておこう。

補助金終了後の電気代に備えてできること

今回の補助金は7〜9月の3ヶ月限定だ。10月以降は再び通常料金に戻るため、補助金に頼りきりにならない固定費の見直しも並行して進めておきたい。

筆者自身、物販時代に在庫管理で月15万の固定費を払っていた経験から、「固定費は放置すると膨らむ」という教訓がある。光熱費も同じで、何もしなければ毎月確実に出ていくお金だ。

具体的に効果が大きい対策を3つ挙げる。

  • 電力会社の切り替え: 新電力への乗り換えで年間5,000〜15,000円の節約になるケースがある。比較サイト(エネチェンジなど)で現在の契約と比較できる
  • エアコンの設定温度: 環境省の推奨は冷房28℃。1℃下げるごとに消費電力が約13%増加するとされる(資源エネルギー庁 省エネポータル
  • 古い家電の買い替え: 10年前のエアコンと最新モデルでは消費電力が約15〜20%違う。補助金の浮いた分を買い替え資金に回す考え方もある

FAQ

補助金の対象になるのはどの契約?

家庭向けの低圧電力契約と、都市ガスの一般契約が対象です。大手電力・ガス会社はもちろん、新電力・新ガス会社も事業者が国に申請していれば対象になります。契約中の電力会社のお知らせを確認してください。

オール電化住宅でも補助金は受けられる?

はい、電気料金の値引きは契約種別を問わず適用されます。オール電化はガス契約がない分ガス側の軽減はありませんが、電気使用量が多いため電気側の値引き額は大きくなります。

賃貸で一括受電のマンションはどうなる?

マンション一括受電の場合、管理組合や一括受電事業者が値引き分を各戸に還元する形になります。還元方法は物件によって異なるため、管理会社に確認してください。

LPガス世帯は申請が必要?

自治体の制度設計によります。前回は自治体経由の給付金として口座振込されたケースが多く、申請が必要だった地域もあります。お住まいの自治体ホームページか窓口で最新情報を確認してください。

10月以降も補助金は延長される?

2026年6月時点では7〜9月使用分の3ヶ月間と発表されています。延長の有無は今後の物価動向や政府方針次第のため、現時点では未定です。

参考文献