引越し費用は、時期と交渉次第で10万円以上変わる。2026年6月現在、引越し業界には「繁忙期」と「閑散期」の明確な価格差があり、これを知っているだけで費用を大幅に圧縮できる。

筆者自身、三児を抱えて過去4回引越しを経験しているが、最初は繁忙期に何も考えずに頼んで18万円。最後の引越しでは閑散期×相見積もりで7万円台まで落とした。同じ荷物量・同じ距離で11万円の差が出た実体験から、具体的な手順をまとめた。

7〜8月の閑散期は繁忙期の40〜60%OFF|引越し料金の実データ

引越し料金は需要と供給で大きく変動する。引越し侍の料金相場データ(2026年6月時点)によると、単身引越しの平均費用は以下のとおりだ。

  • 繁忙期(3〜4月): 単身 約67,000〜100,000円 / 家族 約130,000〜200,000円
  • 閑散期(7〜8月): 単身 約35,000〜55,000円 / 家族 約70,000〜120,000円

つまり、同じ条件でも閑散期は繁忙期の40〜60%程度で収まるケースが多い。家族引越しなら差額だけで6〜8万円になる。

LIFULL HOME'S 引越し見積もりシミュレーションでも同様の傾向が確認でき、7月中旬〜8月上旬が年間で最も安い時期とされている。

ただし注意点がある。7月下旬〜8月上旬の「お盆前」は学生の夏休み引越しで若干需要が上がるため、7月上旬〜中旬または8月下旬が最安値を狙いやすい。

相見積もりで3〜5万円下がる|効果的な取り方と伝え方

閑散期でもさらに安くする最大の武器が「相見積もり」だ。結論から言うと、最低3社、できれば5社から見積もりを取ると値引き交渉のベースができる。

相見積もりの具体手順

  1. 一括見積もりサイトで概算を取る: 引越し侍SUUMO引越し見積もりを使い、5〜8社に一括依頼する
  2. 電話対応で条件を統一: 各社に「同一条件」(荷物量・日程・距離)を伝え、比較可能な見積もりを揃える
  3. 最安値を他社にぶつける: 「A社は○万円でしたが、御社はどこまで下げられますか?」と正直に伝える
  4. 訪問見積もりは2社に絞る: 電話見積もりで上位2社に訪問見積もりを依頼し、最終交渉する

重要なのは、「他社の見積もりがある」と正直に伝えることだ。引越し業者は閑散期にトラックを遊ばせるくらいなら値引きしてでも案件を取りたいため、繁忙期よりはるかに交渉が通りやすい。

筆者の経験では、一括見積もりの最高値と最安値の差が4万円以上あったことが3回ある。「面倒だから1社で決める」のは数万円を捨てるのと同じだ。

不要オプション排除で2〜4万円削減|外すべき項目リスト

見積書には「標準プラン」として様々なオプションが含まれている。以下は外しても問題ないケースが多い項目だ。

オプション名相場(税込)代替手段
エアコン取り外し・取り付け15,000〜30,000円くらしのマーケットで8,000〜12,000円
荷造り・荷ほどきサービス20,000〜50,000円自分でやる(段ボールは無料提供されることが多い)
不用品回収5,000〜20,000円自治体の粗大ごみ回収(数百円〜)、メルカリで売却
ハウスクリーニング30,000〜50,000円退去時は敷金精算内で対応。入居時は自分で清掃
消毒・害虫駆除10,000〜20,000円市販スプレーで代替可(効果に大差なしという口コミ多数)

特に「消毒・害虫駆除」は生活110番などでも指摘されているとおり、実質的な効果が限定的なオプションとして知られている。見積書に入っていたら真っ先に外す候補だ。

エアコン工事はくらしのマーケットで個別に手配すると、引越し業者経由より5,000〜18,000円安くなることが多い(2026年6月時点の相場比較)。

日程の柔軟指定で1〜3万円OFF|「フリー便」と「午後便」の活用

引越し日時を業者任せにする「フリー便」を使うと、さらに1〜3万円安くなる。

日程指定の3段階と料金差

  • 午前便(指定あり): 最も高い。朝イチで作業開始、新居に早く着ける安心感がある
  • 午後便(時間指定あり): 午前便より1〜2万円安い。13時〜15時開始が一般的
  • フリー便(時間指定なし): 最も安い。業者の都合で時間が決まるため、当日朝まで開始時刻が分からない

さらに日付自体も柔軟にすると効果が大きい。「この週のどこかで」と伝えると、業者はトラックが空いている日に入れられるため追加値引きに応じやすい。

具体的には見積もり時に「7月○日〜△日の間で一番安い日をお願いします」と伝えるのがコツだ。平日で業者の空きが多い日に当たれば、指名日より1〜2万円安くなることがある。

合計10万円削減のシミュレーション|家族3人・同一市内の場合

ここまでの手法を組み合わせた場合の削減シミュレーションを示す。

条件: 家族3人(2LDK)、同一市内15km、荷物量は標準的

項目繁忙期・交渉なし閑散期・全手法適用後削減額
基本料金150,000円85,000円▲65,000円
エアコン工事25,000円(業者経由)10,000円(くらしのマーケット)▲15,000円
不用品回収15,000円0円(自治体回収+メルカリ)▲15,000円
消毒オプション15,000円0円(外す)▲15,000円
フリー便値引き▲10,000円▲10,000円
合計205,000円85,000円▲120,000円

上記はあくまで一例だが、閑散期移動+相見積もり+オプション排除+フリー便の4つを組み合わせれば、10万円以上の削減は十分に現実的だ。

FAQ

相見積もりを取ると営業電話がしつこくないですか?

一括見積もりサイト経由だと複数社から電話が来るのは事実だ。SUUMOは電話番号入力が任意のためメール対応のみにできる。電話対応が苦手な人はSUUMO経由がおすすめ。

フリー便だと夜中に来ることはありますか?

通常は9時〜18時の範囲で作業が行われる。ただし前の案件が押すと16〜17時開始になるケースはある。当日朝に連絡が来るのが一般的だ。

閑散期でも土日は高くなりますか?

閑散期の土日は繁忙期の平日と同程度になることがある。最安を狙うなら閑散期の平日が鉄板。特に火曜〜木曜は空きが多く、値引き交渉も通りやすい。

単身引越しでも10万円安くできますか?

単身の場合、元の費用が低いため削減幅は3〜5万円程度が現実的だ。ただし単身パックと通常プランの比較、混載便の活用で十分な節約効果がある。

見積もり後に断るのは失礼ではないですか?

まったく問題ない。業者も相見積もりは前提で営業している。「他社に決めました」と一言伝えれば十分だ。放置して連絡しないほうがマナー違反になる。

参考文献