「ランサーズとクラウドワークス、どっちで稼いだほうが手取りが多い?」——副業を始めた人から繰り返し寄せられる質問だ。結論から言うと、月収20万円を境に有利なプラットフォームが逆転する。どちらが得かは「あなたの月収帯」で決まる。2026年4月時点の公式手数料をもとに、報酬帯別の実取得額を表で整理したので、自分の案件単価に当てはめて判断してほしい。

筆者はクラウドソーシング歴8年で、ライティング駆け出しの頃は文字単価0.3円で受けて月8,000円という地獄を経験した。当時、手数料の仕組みをまったく理解していなかったために、同じ案件でも受け取れる金額が数千円単位で変わっていた。今回はそのリカバリー経験を含め、数字で整理する。

ランサーズとクラウドワークスの手数料体系【2026年版】

2026年4月現在の手数料は以下の通りだ。どちらのプラットフォームも消費税(10%)が加算される点に注意してほしい。

ランサーズの手数料(2026年4月現在)

ランサーズは一律16.5%(税込)のシンプルな体系を採用している。受注額にかかわらず、1案件ごとに16.5%が差し引かれて振り込まれる仕組みだ(ランサーズ公式ヘルプ「サービス利用料について」参照)。

  • 手数料率: 16.5%(税込・税抜15%)
  • 計算方式: 案件単価ごとに一律適用
  • 上限・下限: なし(どの金額帯でも一律)

クラウドワークスの手数料(2026年4月現在)

クラウドワークスは月間累計受注額によって3段階に変化する体系を採用している。月が変わるとリセットされ、毎月1日から累計がゼロから再スタートする(クラウドワークス公式ヘルプ「利用料の計算方法」参照)。

月間累計受注額手数料率(税抜)手数料率(税込)
〜10万円まで20%22%
10万円超〜20万円まで10%11%
20万円超の部分5%5.5%

たとえば月に25万円受注した場合、最初の10万円には22%、次の10万円には11%、残り5万円には5.5%が適用される。一律ではなく累進的に計算される点がポイントだ。なお、月間累計は「検収(完了)のタイミング」で集計されるため、月をまたいだ案件は完了月に計上される。

報酬帯別・実取得額シミュレーション

実際に月の受注額ごとにどれだけ手取りが変わるか計算してみよう。以下はすべて「税込」ベースの比較だ。

月収5万円以下の場合

この帯では、クラウドワークスの手数料は一律22%(税込)が適用される。

月間受注額ランサーズ手取り(16.5%)クラウドワークス手取り(22%)差額
1万円8,350円7,800円+550円(ランサーズ有利)
3万円25,050円23,400円+1,650円(ランサーズ有利)
5万円41,750円39,000円+2,750円(ランサーズ有利)

月収5万円以下の帯では、ランサーズの一律16.5%がクラウドワークスの22%より明確に有利だ。副業初期で案件単価が低い段階では、ランサーズを優先することで手取りを最大化できる。

月収10〜20万円の場合

クラウドワークスは10万円を超えた分に11%(税込)が適用されるため、段階計算が必要になる。

月間受注額ランサーズ手取りクラウドワークス手取り(段階計算)差額
10万円83,500円78,000円+5,500円(ランサーズ有利)
15万円125,250円122,500円
(10万×78%+5万×89%)
+2,750円(ランサーズ有利)
20万円167,000円167,000円
(10万×78%+10万×89%)
±0円(完全一致)

月収10〜20万円の帯では、ランサーズがやや有利〜同等という結果になった。特に月収20万円のとき、両者の手取りは完全に一致する(手数料はともに33,000円)。ここが分岐点だ。

月収20万円超の場合

クラウドワークスは20万円を超えた分に5.5%(税込)が適用されるため、高収入帯で逆転が起きる。

月間受注額ランサーズ手取りクラウドワークス手取り(段階計算)差額
25万円208,750円214,250円
(10万×78%+10万×89%+5万×94.5%)
+5,500円(CW有利)
30万円250,500円261,500円
(10万×78%+10万×89%+10万×94.5%)
+11,000円(CW有利)
50万円417,500円450,500円
(10万×78%+10万×89%+30万×94.5%)
+33,000円(CW有利)

月収20万円を超えると、クラウドワークスが逆転する。月収50万円では年間で約39万6千円(33,000円×12ヶ月)の差が出る計算だ。高単価案件を安定的に受注できるフリーランスには、クラウドワークスでの受注比率を高める戦略が有効だ。

手数料以外の比較ポイント

手数料だけで判断するのは早計だ。案件の質・数・受注しやすさも重要な選択基準になる。

案件数・ジャンル

クラウドワークスはライティング・データ入力などの小規模案件が多く、初心者が実績を積む入口として使いやすい。一方、ランサーズはWeb制作・デザイン・マーケティングなど専門性の高い案件が充実しており、単価交渉も行いやすい傾向がある(2026年4月時点、各プラットフォームの公開案件から)。

支払いの安全性

両プラットフォームとも「仮払い制度」により、クライアントが先に費用を預け、成果物納品後に受注者へ振り込まれる仕組みがある。未払いリスクはほぼゼロに近い。振込手数料は、ランサーズが月1回無料(追加は有料)、クラウドワークスは一定条件で無料振込が利用できる。

会員プラン・優遇制度

ランサーズには「認定ランサー制度」があり、一定の評価を得ると優先表示や案件紹介が受けられる。クラウドワークスには「プロクラウドワーカー認定」があり、専用の高単価案件プールにアクセスできるようになる。どちらも実績を積めば優遇される点は同じだ。

結論:月収帯別の「どちらを使うべきか」

ここまでの比較を踏まえた判断基準をまとめる。

月間受注額の目安推奨プラットフォーム理由
〜20万円未満ランサーズ優先手数料16.5%(一律)がCWの22%より有利
20万円ちょうどどちらでも同じ手数料が完全一致(33,000円)
20万円超クラウドワークス優先段階制で超過分が5.5%になり手取りが逆転

実務的には「両方登録して案件ジャンルで使い分ける」が最適解だ。登録は無料なので、ランサーズで専門性の高い案件を取り、クラウドワークスで初期の実績積みをするという並走スタートも有効だ。副業初月から月収20万円を超えるケースは少ないので、最初の3ヶ月はランサーズをメインに据えるのが手数料面では合理的な選択になる。

ただし、手数料体系は各社の方針変更で随時更新される。本記事の数値は2026年4月時点の公式情報に基づいており、最新情報は必ず各プラットフォームの公式ヘルプで確認してほしい。

FAQ

クラウドワークスの手数料は毎月リセットされますか?

はい、月間累計受注額は毎月1日にリセットされます。たとえば1月に30万円受注して5.5%ゾーンに入っても、2月1日からは再び最初の10万円まで22%が適用されます。月をまたいだ案件は、検収(完了)のタイミングで月が決定します。

ランサーズの16.5%は消費税込みですか?

はい、16.5%はすでに消費税10%を含んだ税込の数値です(税抜で15%)。クラウドワークスの場合は「20%・10%・5%(税抜)」と表記されており、実際に引かれる額は「22%・11%・5.5%(税込)」になります。比較するときは必ず税込ベースで揃えてください。

両方に登録しても問題ありませんか?

まったく問題ありません。ランサーズ・クラウドワークスとも複数プラットフォームへの並行登録を禁止していません。案件の性質や受注額に応じて使い分けるのがプロの戦略です。プロフィールや実績は各プラットフォームで独立して管理されます。

インボイス制度の影響は手数料に関係しますか?

2023年10月から施行されたインボイス制度により、免税事業者(年売上1,000万円以下)は取引先から消費税分の値引きを求められるケースがあります。ただし、クラウドソーシング経由の取引はプラットフォームが消費税を負担する形をとっており、個人の免税事業者ステータスがダイレクトに手数料に影響することは現状少ないです(国税庁「インボイス制度の概要」参照)。

手数料を下げる方法はありますか?

クラウドワークスでは月間受注額を20万円以上にすると超過分の手数料が5.5%まで下がります。複数クライアントを抱えて月収を増やすほど有利になります。ランサーズでは認定ランサーになることで案件優先表示などの間接的メリットが得られますが、手数料率自体は2026年4月時点で一律です。

参考文献