2026年3月、ランサーズは「自動で提案」機能を廃止し、「提案アシスト」(旧・自動提案)への一本化を実施した。これまでAIが自動で提案文を送信していた仕組みが消え、案件の中身を自分で確認してから提案する「確認してから提案」方式に統一された形だ。

筆者はランサーズ歴8年になるが、自動提案が導入された2025年6月以降、低品質なボット提案が急増してクライアント側の不満が高まっていたのを肌で感じていた。今回の一本化は、手動で丁寧に提案してきたランサーにとって追い風になる変更だ。

この記事では、2026年5月時点の最新情報をもとに、提案アシスト一本化後に案件獲得率を上げるための具体策を解説する。

提案アシスト一本化の背景|なぜ「自動で提案」は廃止されたのか

ランサーズの公式お知らせ(2026年2月)によると、「自動で提案」機能は2026年3月5日をもって提供停止となった。同月18日には機能名称が「自動提案」から「提案アシスト」に変更されている(名称変更のお知らせ)。

廃止の最大の理由は、ボット的な低品質提案の氾濫だ。2025年6月のリリース以降、AIが案件を自動マッチングして提案文を送信する仕組みは便利な反面、テンプレートのコピペ提案が大量に発生した。結果として、クライアント側は「提案が多すぎて選べない」「どの提案も似たような文面で判断できない」という状態に陥った。

ランサーズはユーザーの声を受けて「確認してから提案」機能への一本化を決定。つまり、案件の内容を自分で確認し、提案するかどうかを自分で判断する方式だけが残った。自動で提案を設定していたユーザーは、2026年3月5日以降、自動的に「確認してから提案」モードに移行されている。

提案アシスト一本化後に変わった3つのポイント

一本化で何が変わったのか。実際に影響が大きい3点を整理する。

1. 提案の「量」から「質」への転換

自動提案時代は、1つの案件に対して数十件の自動生成提案が殺到することも珍しくなかった。一本化後は、ランサー自身が案件を読んで手動で提案するため、提案数自体が減少傾向にある。これはクライアントにとって「読める量」になったことを意味し、丁寧に書いた提案文が以前より目に留まりやすくなった。

2. 提案アシストの通知機能は継続

提案アシストでは、あらかじめ設定した条件(スキル・希望単価・カテゴリ)に合致する案件が公開されると通知が届く。案件を見つける手間は省ける一方、提案文の作成と送信は自分で行う必要がある。いわば「案件発見はAI、提案は人間」というハイブリッド型だ。

3. AI提案文作成アシストは利用可能

ランサーズの公式ヘルプによれば、「AIによる提案文の作成アシスト」機能は引き続き利用できる。ただし、これはあくまで下書き支援であり、生成された文面をそのまま送るのではなく、自分の実績・強みに合わせて編集してから送信するのが前提だ。

提案文で差をつける5つの改善ポイント

提案の質が問われる時代になった今、採用されやすい提案文の具体的な書き方を押さえておこう。

ポイント1: 案件の課題に直接回答する冒頭にする

クライアントは多いときで20〜30件の提案を読む。冒頭の2〜3行で「この人は自分の案件をちゃんと読んでいる」と伝わらなければ、最後まで読まれない。

自分がライティング駆け出しの頃、文字単価0.3円の案件に「何でもやります!」というテンプレ提案を50件送って全滅した経験がある。今なら断言できるが、案件説明文のキーワードを拾って「〇〇の課題について、△△の経験から対応できます」と書くだけで反応率はまるで違う。

具体例として、以下のような構成が効果的だ。

  • NG:「はじめまして。Webライティングが得意です。ぜひお任せください」
  • OK:「〇〇ジャンルの記事制作について拝見しました。SEO記事を月20本納品した実績があり、御社の〇〇という課題に対して△△のアプローチで対応可能です」

ポイント2: 実績は数字で示す

「経験豊富です」ではなく「過去12ヶ月でSEO記事180本納品、うち15本が検索1位を獲得」のように具体的な数字を入れる。ポートフォリオURLも必ず添える。ランサーズのプロフィールに実績一覧を整理しておくと、提案文を短くできて一石二鳥だ。

ポイント3: 納期と稼働時間を明確に記載する

「最短で対応します」は曖昧すぎる。「平日9〜18時稼働、3,000字の記事なら着手から3営業日で初稿提出」など、クライアントがスケジュールを組める粒度で書く。メッセージへの平均返信時間(例: 2時間以内)を記載するだけでも、他の提案との差別化になる。

ポイント4: 提案文は300〜500文字に収める

長すぎる提案文はかえって読まれない。結論→実績→対応方法→条件の順で300〜500文字にまとめるのが目安だ。詳細な経歴はプロフィールに任せ、提案文では「この案件に対して何ができるか」に集中する。

ポイント5: テンプレ感を消す一文を入れる

AI生成文やテンプレートをベースにする場合でも、案件固有の情報を最低1箇所は入れる。たとえば「募集文にあった〇〇というご要望について」「掲載先メディアを拝見したところ△△のトーンが多いので」など、その案件を読まなければ書けない一文があるだけで、クライアントの信頼度が上がる。

提案アシストの設定を最適化する手順

提案アシストの通知精度を上げることで、自分に合った案件を効率的に見つけられる。設定の最適化手順は以下の通りだ。

  1. スキル登録を絞り込む: 「何でもできます」ではなくコアスキル3〜5個に限定する。マッチング精度が上がり、得意分野の案件が優先的に通知される
  2. 希望単価の下限を設定する: 安すぎる案件の通知を減らすことで、提案にかける時間を高単価案件に集中できる
  3. カテゴリを具体的に選ぶ: 大カテゴリ(例: ライティング)だけでなく、サブカテゴリ(例: SEOライティング、取材記事)まで指定する
  4. 通知頻度を調整する: リアルタイム通知にしておくと、公開直後の案件にいち早く提案できる。公開から1時間以内の提案は採用率が高い傾向にある

案件獲得率を底上げするプロフィール整備

ランサーズでは、2026年5月時点でもランク制度が案件獲得に大きく影響する。ランクを持っていないランサーの提案は、クライアントの画面でデフォルト表示されないケースがあるためだ。

提案文を改善する前に、以下のプロフィール整備を済ませておこう。

  • 本人確認の完了: 未完了だと提案が表示されにくい
  • プロフィール写真の設定: 顔写真またはイラストアイコン。未設定のデフォルトアイコンは不利
  • 自己紹介文の充実: 経歴・得意分野・稼働時間を300〜500字で。「副業で週15時間稼働」「本業はIT企業勤務」など、クライアントが発注判断に使える情報を入れる
  • ポートフォリオの登録: 最低3件。ジャンルが偏らないよう、異なるテーマの実績を並べる
  • レビュー・評価の蓄積: 最初は低単価でも丁寧に納品して5つ星レビューを積む。10件以上のレビューがあると提案採用率が目に見えて変わる

結論から言うと、提案文のテクニック以前に、プロフィールが整っていなければ土俵にすら上がれない。順序としては「プロフィール整備 → 提案アシスト設定 → 提案文の改善」の3ステップで進めるのが効率的だ。

手数料を踏まえた単価設計|手取りから逆算する

ランサーズの公式ヘルプによると、2026年5月時点のシステム手数料はランサー側が契約金額(税込)の16.5%、クライアント側が5.5%だ。振込手数料は楽天銀行なら110円、それ以外は550円かかる。

たとえば文字単価2円・3,000字の案件(税込6,600円)を受けた場合の手取りは以下のようになる。

  • 契約金額: 6,600円(税込)
  • システム手数料(16.5%): 1,089円
  • 手取り: 5,511円(振込手数料別)

時給換算で考えるなら、3,000字の記事を2時間で書ける場合は時給約2,755円。リサーチや修正対応を含めると3時間かかることも多いので、実質時給は1,837円前後になる。単価交渉の際は、手数料込みの金額ではなく手取り額から逆算して希望単価を設定しよう。

FAQ

提案アシストと旧「自動で提案」の違いは何ですか?

旧「自動で提案」はAIが案件を自動マッチングし、提案文まで自動送信する機能でした。提案アシスト(一本化後)は案件の通知とAI提案文の下書き作成は行いますが、送信は必ず自分で確認してから行う方式です。2026年3月5日に一本化されました。

提案アシストは無料で使えますか?

提案アシスト機能自体は無料で利用できます。ただし、案件が成約した場合にはシステム手数料(契約金額の16.5%)が発生します。提案を送ること自体に費用はかかりません。

提案しても全然採用されません。原因は何ですか?

主な原因は、プロフィール未整備(本人確認・ポートフォリオ未登録)、テンプレートのコピペ提案、案件内容を読まずに送信の3点です。まずプロフィールを完成させ、案件ごとに提案文をカスタマイズすることで改善が見込めます。

AI提案文作成アシストをそのまま送って大丈夫ですか?

そのまま送るのは避けるべきです。AI生成文はテンプレ感が強く、クライアントも見慣れています。下書きとして活用し、自分の実績・案件への具体的な対応策を加筆してから送信しましょう。

提案アシストの通知が多すぎて困る場合はどうすればいいですか?

スキル登録を3〜5個に絞り込み、希望単価の下限を設定することで通知数を適正化できます。カテゴリもサブカテゴリまで指定すると、ミスマッチな案件の通知が減ります。

参考文献