2026年に入り、日本語圏でSubstackを始めるクリエイターが急増している。ニュースレター・ブログ・ポッドキャスト・SNS機能が1つのプラットフォームに統合されており、有料購読の手数料はSubstack取り分10%+Stripe決済手数料(約2.9%+30¢)のみ。つまり、売上の約85〜87%がそのまま手元に残る計算だ。

筆者(森本)はX運用を軸にSNS収益化を続けてきたが、2025年後半からSubstackで週1本のニュースレターを始めた。正直、最初は「英語圏のサービスでしょ」と思っていたが、日本語UIの改善が進み、Notesからの流入も増えてきている。この記事では、Substackの仕組み・始め方・収益化までの道筋を、noteやWordPressとの比較を交えて整理する。

Substackとは何か — 2026年5月時点の全体像

Substackは2017年に米国で創業されたニュースレター・プラットフォームだ。当初はテキストメールの配信ツールだったが、現在は以下の機能が統合されている。

  • ニュースレター配信 — メール購読者に記事を自動送信
  • ブログ — Web上で記事を公開。SEOにも対応
  • Notes — X(旧Twitter)に似た短文投稿。フォロー/リポスト機能あり
  • ポッドキャスト — 音声コンテンツの配信・有料化
  • チャット — 有料購読者限定のコミュニティ機能

結論から言うと、「自分のメディアを持ちたいが、WordPress構築は面倒」「noteの手数料が気になる」「SNSのアルゴリズムに振り回されたくない」という人に、Substackは選択肢になる。

収益モデル — 手数料10%+Stripe手数料で約85%が手元に残る

Substackの収益構造は非常にシンプルだ。Substack公式ヘルプによると、有料購読(サブスクリプション)収入に対して以下の手数料が差し引かれる。

  • Substackプラットフォーム手数料: 売上の10%
  • Stripe決済手数料: 約2.9%+1件あたり30¢(日本円決済の場合は3.6%)

たとえば月額1,000円のサブスクに100人が登録した場合、月収10万円に対してSubstack手数料1万円、Stripe手数料約3,600円(3.6%の場合)で、手元に残るのは約86,400円(約86%)だ。無料ニュースレターの配信には一切費用がかからない。

要するに、「使った分だけ払う」モデルであり、初期費用ゼロで始められる。有料化しない限りは完全無料だ。

note・WordPressとの比較 — どれを選ぶべきか

日本で個人メディアを持つ選択肢として、note・WordPress・Substackを比較する。2026年5月時点の情報に基づく。

項目SubstacknoteWordPress(自前運用)
初期費用無料無料サーバー代 月500〜1,500円
有料記事の手数料10%+Stripe(計約14%)決済手数料10〜15%+プラットフォーム利用料(note利用規約参照)決済プラグイン依存(Stripe直接なら約3.6%)
メール配信標準搭載・無制限なし(外部連携が必要)プラグイン導入が必要
SNS機能(Notes)ありタイムラインありなし
SEO中程度(独自ドメイン可)noteドメインの恩恵あり自由度が最も高い
所有権メールリストは持ち出し可フォロワーの持ち出し不可完全に自分のもの
日本語対応UI日本語化は途上完全日本語完全日本語

ポイントは「メールリストの所有権」だ。Substackでは購読者のメールアドレスをCSVでエクスポートできる。つまり、将来プラットフォームを移行しても読者との接点を失わない。noteではフォロワーのメールアドレスは取得できないため、この違いは大きい。

一方、SEOを最優先にするならWordPress、日本語読者のディスカバリー(発見されやすさ)を重視するならnoteに分がある。Substackは「メール購読で読者と直接つながりたい人」に向いている。

日本語Substackの始め方 — アカウント開設から初投稿まで

Substackのアカウント開設から初投稿までは30分もかからない。以下の手順で進める。

ステップ1: アカウント作成

Substack公式サイトにアクセスし、「Start writing」からメールアドレスまたはGoogleアカウントで登録する。

ステップ2: Publication(パブリケーション)の設定

ニュースレターの名前・説明文・プロフィール画像を設定する。名前は日本語でOK。後から変更もできる。URLは yourname.substack.com 形式だが、独自ドメインも設定可能(カスタムドメイン機能)。

ステップ3: 最初の記事を書く

エディタはシンプルなリッチテキスト形式。画像・動画の埋め込み、見出し・引用・リスト・コードブロックに対応している。「Publish」を押すと、登録済みの購読者にメールが配信されると同時にWeb上にも公開される。

ステップ4: Stripe連携(有料化する場合)

有料購読を始める場合は、Stripeアカウントとの連携が必要。日本の銀行口座での受け取りに対応している。月額・年額の価格は自由に設定できる(最低月額〜)。

ステップ5: Notesで発信する

記事を書くだけでなく、Notes機能で日常的に短文を投稿すると、Substack内のディスカバリーで新規読者に見つけてもらいやすくなる。Xのタイムラインに近い感覚で使える。

日本語で月500人登録を達成した運用のポイント

2025年〜2026年にかけて、日本語Substackで有料・無料合わせて月500人の新規登録を達成しているアカウントが複数出てきている。共通するポイントを整理した。

1. 既存SNSからの導線設計

X・Instagram・YouTubeなど既存のSNSプロフィールにSubstackのリンクを設置し、フォロワーを購読者に転換する。筆者もXのプロフィールにSubstackリンクを追加したところ、最初の2週間で無料登録が80人ほど集まった。SNS運用代行の経験から言えるのは、「プロフィール導線の最適化」は地味だが効果が大きい。

2. 無料記事で信頼を積み上げてから有料化

最初から有料にするのではなく、無料で10〜20本の記事を出してから有料プランを導入するパターンが多い。「この人の情報には価値がある」と思ってもらえてからの方が、有料転換率(コンバージョン)は高くなる。

3. 週1本のペースを守る

更新頻度は週1本が目安。毎日投稿するとメールが煩わしくなり解除率が上がる。逆に月1本以下だと存在を忘れられる。「週1本、同じ曜日」のリズムが購読者の定着に効果的だ。

4. Notesでの日常発信

記事の合間にNotesで短い考察やリンク紹介を投稿する。Substackのアルゴリズムは「Notesの活動量」も推薦に反映するため、記事だけ書いて放置するよりもリーチが広がる。

5. 数値の公開が信頼につながる

購読者数・開封率・収益の実数字を公開しているアカウントほど成長が速い傾向がある。Substackは開封率が平均40〜60%と高く(一般的なメルマガの20%前後と比較して)、この数字自体がコンテンツになる。

Substackの注意点とリスク

メリットばかりではない。始める前に知っておくべき点を挙げる。

  • 日本語UIは完全ではない — 管理画面の一部は英語のまま。読者向けの表示(購読ボタンなど)も英語が混在する場面がある(2026年5月時点)
  • 日本円決済の手数料が少し高い — Stripeの日本円決済手数料は3.6%で、米ドル決済の2.9%より高い
  • Substackドメインの日本語SEOは弱い — Google検索での露出はnoteドメインやWordPressに劣る。独自ドメインの設定を推奨
  • 最低価格が/月 — 日本円で月750〜800円程度。日本の読者にとってはnoteの100円〜の有料記事と比べてハードルが高い
  • プラットフォームリスク — Substackの方針変更や規約変更の影響は受ける。ただし、メールリストの持ち出しが可能なので移行コストは低い

FAQ

Substackは日本語で使えますか?

記事の執筆・公開は完全に日本語対応しています。管理画面や一部のUI(購読ボタンなど)には英語が残りますが、読者の閲覧・購読には支障ありません(2026年5月時点)。

Substackの収益はどうやって受け取りますか?

Stripeを通じて日本の銀行口座に直接振り込まれます。Stripeアカウントの開設と本人確認が必要で、初回の入金には数日かかります。

noteからSubstackに移行できますか?

noteの記事はエクスポート機能で一括ダウンロードできますが、Substackへの自動インポートには対応していません。記事は手動で移行する必要があります。ただし、noteのフォロワーをSubstackに移すことはできないため、並行運用してから徐々に移行する方法が現実的です。

無料で使い続けることはできますか?

はい。無料ニュースレターだけなら費用は一切かかりません。Substackの手数料は有料購読の売上に対してのみ発生します。

確定申告は必要ですか?

副業としてSubstackの有料購読で収入を得た場合、年間の所得(売上−経費)が20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要なので注意してください。

参考文献