新NISAのつみたて投資枠で「クレカ積立」を使えば、毎月の投資信託購入でポイントが貯まる。2024年3月に月額上限が5万円から10万円に引き上げられ、年間で最大12,000ポイント(還元率1%の場合)を受け取れる計算だ。
編集部でも実際に4社を使い比べてみたが、「設定して放置」で資産形成とポイント獲得を両立できるクレカ積立は、副業で得た利益の置き場所としても優秀だった。ただし還元率の改定が頻繁にあるため、最新の数字を押さえておくことが重要になる。
本記事では、2025年5月時点のクレカ積立対応4社——SBI証券・楽天証券・マネックス証券・auカブコム証券——を還元率・年会費・対象ファンド・使い勝手で比較する。「結局どこが一番得なのか」を数字で整理した。
クレカ積立とは? 仕組みと新NISAでの位置づけ
クレカ積立(クレジットカード積立投資)とは、証券口座への入金を介さず、クレジットカード決済で投資信託を定期買付する仕組みだ。毎月の決済額に応じてカードのポイントが付与されるため、現金買付にはないメリットがある。
2024年3月の金融庁の制度改正に伴い、各証券会社がクレカ積立の月額上限を5万円から10万円に引き上げた。新NISAのつみたて投資枠(年120万円)をクレカ積立だけでフル活用できるようになった点が大きい。
つまり、月10万円×12ヶ月=年120万円のつみたて投資枠を、クレカ決済でそのまま埋められる。ポイント還元率が0.5%でも年6,000円分、1.0%なら年12,000円分のポイントが「投資するだけで」もらえる計算だ。
4社のクレカ積立 還元率・年会費・条件を一覧比較
以下の比較表は2025年5月時点の公式情報に基づく。各社とも制度改定が頻繁なため、最新の条件は各証券会社の公式サイトで確認してほしい。
| 証券会社 | 対応カード | 還元率 | 年会費(税込) | 月上限 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 三井住友カード(NL) | 0.5% | 永年無料 | 10万円 | — |
| SBI証券 | 三井住友ゴールド(NL) | 最大1.0% | 5,500円(年100万利用で永年無料) | 10万円 | 年間カード利用額に応じて0〜1.0% |
| SBI証券 | 三井住友プラチナプリファード | 最大3.0% | 33,000円 | 10万円 | 2024年11月改定で年間利用額条件あり |
| 楽天証券 | 楽天カード | 0.5% | 永年無料 | 10万円 | 代行手数料0.4%以上のファンドは1.0% |
| 楽天証券 | 楽天ゴールドカード | 0.75% | 2,200円 | 10万円 | — |
| 楽天証券 | 楽天プレミアムカード | 1.0% | 11,000円 | 10万円 | — |
| マネックス証券 | マネックスカード | 0.2〜1.1% | 初年度無料(次年度550円※年1回利用で無料) | 10万円 | 5万円まで1.1%、5〜7万円0.6%、7〜10万円0.2% |
| auカブコム証券 | au PAYカード | 1.0% | 無料(au回線なしは1,375円※年1回利用で無料) | 10万円 | 一律1.0%でシンプル |
証券会社別の詳細比較:結局どこが得か?
SBI証券 × 三井住友カード:最大還元率は高いが条件に注意
SBI証券のクレカ積立は三井住友カードと連携している。注目はゴールド(NL)で、年間100万円のカード利用(積立分は対象外)で年会費が永年無料になり、積立に対して最大1.0%還元を受けられる。
ただし2024年11月の改定で、プラチナプリファードを含む各カードの積立還元率は年間カード利用額に連動する仕組みに変更された。特にプラチナプリファードは、年間300万円以上のカード利用がないと積立還元率が大きく下がるため、「積立のためだけにプラチナプリファードを持つ」メリットは薄れている。
結論から言うと、SBI証券を使うならゴールド(NL)が実質的なベストバランスだ。年会費を永年無料にできれば、月10万円×1.0%=年12,000ポイントがコストゼロで手に入る。
楽天証券 × 楽天カード:楽天経済圏なら最有力
楽天証券のクレカ積立は楽天カードで月10万円まで対応。通常カード(年会費無料)で0.5%還元だが、eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)やS&P500連動型など低コストインデックスファンド(代行手数料0.4%未満)は0.5%にとどまる。
楽天経済圏(楽天市場・楽天モバイル・楽天銀行など)を既に使っている人には、SPU(スーパーポイントアッププログラム)との相乗効果がある。楽天証券でのポイント投資がSPU加算の条件になっているため、積立で得たポイントを楽天市場の買い物に回すサイクルを作れるのが強みだ。
マネックス証券 × マネックスカード:5万円以下なら還元率トップ
マネックス証券のクレカ積立は、月5万円までの部分に1.1%という業界最高水準の還元率を誇る。年会費も実質無料(年1回以上の利用で翌年無料)で維持コストがかからない。
ただし5万円を超える部分は段階的に還元率が下がり、7万円超〜10万円の部分は0.2%になる。月10万円をフル積立した場合の実質還元率は約0.73%(年間約8,700ポイント)で、auカブコム証券の一律1.0%(年間12,000ポイント)を下回る。
「月5万円だけクレカ積立にして、残りは現金積立」という使い方なら、月5万円×1.1%=年間6,600ポイントで、楽天カード通常の月5万円×0.5%=年間3,000ポイントを大きく上回る。積立額が月5万円以下に収まる人にはマネックスが最適解だ。
auカブコム証券 × au PAYカード:シンプルに1.0%一律
auカブコム証券のクレカ積立は、月10万円まで一律1.0%還元。条件分岐がなく、年間利用額の縛りもない。au PAYカードの年会費はau回線ユーザーなら無料、回線なしでも年1回利用で無料になる。
月10万円×1.0%=年間12,000ポイント(Pontaポイント)を追加条件なしで受け取れるシンプルさが最大の魅力だ。Pontaポイントはau PAY・ローソン・じゃらんなど日常的に使える場面が多い。
月10万円積立のシミュレーション:年間ポイント獲得額
各社で月10万円をフル積立した場合の年間ポイント獲得額をまとめた(年会費無料 or 実質無料のカードで比較)。
| 証券会社 × カード | 月10万円時の実質還元率 | 年間ポイント | 年会費実質負担 | 差引リターン |
|---|---|---|---|---|
| SBI × ゴールド(NL)(年100万利用達成時) | 1.0% | 12,000P | 0円 | +12,000円相当 |
| auカブコム × au PAYカード | 1.0% | 12,000P | 0円 | +12,000円相当 |
| マネックス × マネックスカード | 約0.73% | 約8,700P | 0円 | +8,700円相当 |
| 楽天 × 楽天カード(通常) | 0.5% | 6,000P | 0円 | +6,000円相当 |
| 楽天 × 楽天プレミアムカード | 1.0% | 12,000P | 11,000円 | +1,000円相当 |
数字だけ見れば、SBI証券ゴールド(NL)とauカブコム証券が年間12,000ポイントで並ぶ。ただしSBI証券ゴールド(NL)は「年100万円のカード利用」を別途達成する必要がある(積立分は対象外)。普段の生活費決済で年100万円をクリアできる人にはSBI、条件を気にしたくない人にはauカブコムが向いている。
なお、20年間積み立てた場合、年間12,000ポイント×20年=累計24万ポイント相当になる。「ポイントのために投資する」のは本末転倒だが、同じ投資をするなら還元がある方が合理的だ。
選び方のフローチャート:あなたに合う証券会社は?
要するに、以下の基準で選べばほぼ間違いない。
Q1. 楽天経済圏を使っているか?
→ Yes:楽天証券 × 楽天カード。還元率は0.5%だが、SPU加算やポイント投資との相乗効果で実質リターンが上がる。楽天市場のヘビーユーザーなら最適。
Q2. 生活費決済で年100万円以上カードを使うか?
→ Yes:SBI証券 × 三井住友ゴールド(NL)。年会費永年無料を達成でき、積立1.0%還元。SBI証券は取扱ファンド数が業界最多級で、将来の選択肢も広い。
Q3. 月5万円以下の積立で十分か?
→ Yes:マネックス証券 × マネックスカード。5万円以下なら1.1%で業界最高水準。少額からコツコツ始めたい人に合う。
Q4. 条件を気にせずシンプルに1%還元がほしいか?
→ Yes:auカブコム証券 × au PAYカード。月10万円まで無条件1.0%。au回線がなくても年会費実質無料。
なお、新NISAの口座は1人1口座しか開設できない(年単位での変更は可能)。クレカ積立の還元率だけでなく、取扱ファンドのラインナップ・管理画面の使いやすさ・他のサービスとの連携も含めて総合的に選ぼう。
FAQ
クレカ積立のポイントは新NISAの非課税枠に影響する?
影響しない。クレカ積立で付与されるポイントはカード会社からの還元であり、投資のリターンではない。NISA枠の消費には月10万円の「買付額」のみがカウントされる。ポイント分は枠外の付加価値だ。
クレカ積立と現金積立は併用できる?
多くの証券会社で併用可能だ。例えばSBI証券ではクレカ積立(月10万円)と現金積立を組み合わせられる。ただし、つみたて投資枠の年120万円はクレカ積立だけで使い切れるため、通常は併用する必要がない。
途中で証券会社を変更したらポイントはどうなる?
既に付与されたポイントはカード会社側に残るため消えない。ただしNISA口座の金融機関変更は年単位でしかできず、手続きに数週間かかる。変更前の口座で購入した商品はそのまま非課税で保有を続けられる。
クレカ積立の買付日は自分で選べる?
選べない場合がほとんどだ。SBI証券は毎月1日、楽天証券は1日または8日(選択制)、マネックス証券は毎月24日、auカブコム証券は毎月1日の自動買付になる。ドルコスト平均法の効果は買付日で大差ないので、気にしすぎなくてよい。
年会費有料カードでクレカ積立する価値はある?
月10万円積立の場合、年会費と獲得ポイントの差引で計算しよう。楽天プレミアムカード(年会費11,000円)で年間12,000ポイントなら差引1,000円分。三井住友ゴールド(NL)は年100万利用で年会費が永年無料になるため、生活費決済でクリアできるなら実質コスト0で1.0%還元を受けられる。
参考文献
- 新しいNISA — 金融庁
- SBI証券 クレジットカードで投信積立 — SBI証券公式サイト
- 楽天証券 クレジットカード決済で投信積立 — 楽天証券公式サイト
- マネックス証券 クレカ積立 — マネックス証券公式サイト
- auカブコム証券 クレジットカード積立 — auカブコム証券公式サイト
- 三井住友カード(NL)・ゴールド(NL) — 三井住友カード公式サイト